
提示された契約ドラフトのある条項について不満があって対案を一応作ったんだけど・・・。
これを言うと相手が気を悪くしそうで、言いにくいなー。

いえいえ、正々堂々と対案を言うべきですよ。
今言わないと将来に後悔することになります。
「取引上の優位者に対して対案を言えない。」契約交渉あるあるですが・・・
契約書の交渉を行う際には、当事者間に取引上の立場の優劣があることが多いです。それは、取引である以上仕方がないことです。
しかし、契約交渉においては、その取引上の優劣関係を強く意識しすぎるのは良くありません。
提示された契約書ドラフトのなかに、当方に不利な条項を見つけたので、対案を作って交渉したいなあと思ったが、
「いらんことを言って相手方が気を悪くして、取引してくれない(契約してくれない)ということになったら大変だ」とか、
「いらんことを言って契約交渉が長引くと、当方の営業計画に支障をきたすと困る」
といった心理が働いて、せっかく作った対案を相手方に提示せず、相手方のもともとの提示案のままハンコを押してしまう、ということが意外とたくさんあると思います。
でも、この葛藤の心理と行動は、とんでもない問題になることもあるので、注意が必要です。
言えるときには言わないといけない
すぎやんは、契約交渉においては、取り引き上の優劣関係を意識しすぎることは良くないと考えています。それは次の2つの理由からです。
- 今交渉しないと、後で後悔することになる。
- 契約条項の対案を出すことぐらいで気分を害するような相手方と、末長く取引できますか?
信頼関係が築けますか? なかなか難しそうですね。
後の喧嘩 先にする
「後の喧嘩 先にする」ということわざがあります。
のちのちにトラブルが起こらないように、言いにくいこともはっきり主張して、十分議論して調整しておくことが大事だという意味です。
これは、契約交渉の大事さを如実に表現した名言だと思います。
契約交渉で「こんなこと言って、相手が気を悪くしないかな」なんて思いがよぎったときには、是非思い出してほしい名言です。
良い契約とは、両当事者が守れる契約であること。そうするためには・・・・
契約書の作成にあたっては、「契約当事者がお互いに守ることができる契約にすること」がなによりも大切です。
それは、契約違反した場合の権益回復のためには多大な労力、費用、時間が必要だからです。
お互いが守れる契約書にするためには、契約交渉を両当事者が対等な立場で行うことのほか方法はありません。
契約の一方の当事者が主張したい対案を作ったのに、相手の機嫌を気にして主張せず呑み込んでできた契約書は、結局最後の最後、守れない契約になってしまう可能性が高いと考えます、

なるほど。堂々と主張して議論することが大事ということですね。